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内容説明


改正少年法の運用に関する研究
司法研修所編
書籍コード 18-12
判型 A5判
頁数 300頁
 〔「はしがき」より〕本研究報告は,平成13年4月1日に施行された改正少年法について,主として施行後3年間における運用状況の実情を明らかにし,適正な運用が行われているかどうかを実証的に検討することを目的として研究した結果である。今後の家庭裁判所の実務にいくらかでも寄与することができ,また,施行後5年後の見直しの検討材料になれば幸いである。研究の方法としては,全国の家庭裁判所における少年事件の審判書等の検討を中心とし,観護措置の特別更新と検察官関与に関しては,少年事件を担当する全国の裁判官に対してアンケートを実施した。本研究報告が成るについては,司法研修所から適切な示唆をいただくとともにアンケートの実施に関して多大な御協力をいただき,最高裁判所事務総局家庭局からも審判書等の資料収集などで御支援を受けた。アンケートに応じていただいた裁判官の方々とともに,深く謝意を表する次第である。

                 平成16年度司法研究員
岡山地方裁判所所長判事 長岡哲次
東京地方裁判所判事 入江 猛
東京高等裁判所判事 溝國禎久
神戸地方・家庭裁判所尼崎支部判事補 大森直子
目  次
第1 研究の目的と方法
 1 目的
 2 方法等
(1) 対象とした事項
(2) 具体的方法
(3) 対象事件
(4) 評議等
第2 原則検察官送致
 1 原則検察官送致制度
(1) 改正の趣旨
(2) 原則と例外の要件
(3) 55条の位置付け
 2 処遇状況に関する統計的分析
 3 処遇因子の分析について
(1) 処遇因子の点数化
 ア 分析の手法
 イ 処遇因子
 ウ 処遇因子への配点及びその際に留意した事柄
(2) 分析結果とその考察
 ア 分析結果
 イ 考察
 4 個別事例の紹介とその分析
(1) 殺人事件
 ア えい児殺,親族に対する殺人の事案
 イ 男女関係に端を発する殺人の事案
 ウ 少年を含むグループによる殺人の事案
 エ 分析
(2) 傷害致死事件
 ア 少年らの交遊グループ内における傷害致死の事案
 イ 少年を含む交遊グループによる第三者に対する傷害致死の事案
 ウ 親族等に対する傷害致死の事案
 エ その他の傷害致死の事案
 オ 分析
(3) 強盗致死事件
(ア) 検察官送致となった強盗致死の事案
(イ) 保護処分となった強盗致死の事案
(ウ) 分析
(4) 保護責任者遺棄致死事件
(5) 危険運転致死事件
 ア 処遇因子
 イ 事例紹介7例((ア)から(キ)まで)
 ウ 分析
 5 まとめ
(1) 考察
(2) 運用に当たっての留意点
(3) 今後の方向性
第3 刑事処分可能年齢の引下げ
 1 改正の趣旨等
(1) 改正の趣旨,経緯等
(2) 年少少年における検察官送致の要件
 2 重大事件等を犯した年少少年の処遇状況に関する統計的分析
 3 処遇因子の分析について
(1) 処遇因子の点数化
 ア 分析の手法
 イ 処遇因子
 ウ 処遇因子への配点及びその際に留意した事柄
(2) 分折詰果と考察
 ア 分析結果
 イ 考察
 4 個別事例の紹介とその分析
(1) 検察官送致された事例
 ア 暴走族構成員による傷害致死事件
 イ 住居侵入,強盗強姦,監禁等事件
 ウ 路上生活者に対する傷害致死事件
(2) 検察官送致された事例分析についての考察
(3) 保護処分とされた事例
 ア 少年らの交遊グループ内での殺傷事案
 イ 少年を含む交遊グループによる第三者への殺傷事案
 ウ 親族を殺傷した事案
 エ その他の殺傷事案
 オ 強盗殺人.強盗致死の事案
 カ 強盗強姦の事案
(4) 保護処分とされた事例分析についての考察
 5 まとめ
第4 観護措置期間の特別更新
 1 観護措置の意義等
(1) 観護措置の意義及び要件
(2) 収容期間及び特別更新
 2 改正に至る経緯等
(1) 経緯
(2) 期間及び更新に関する議論
 3 改正後の観護措置の運用状況に関する統計的分析
(1) 観護措置期間の特別更新
 ア 事件数,更新期間の分布等
 イ 非行罪名別の分布等
(2) 審理状況
 ア 収容期間別の平均審理回数等
 イ 検察官関与決定と特別更新との関連
 ウ 裁定合議決定と特別更新との関連
(3) 考察
 4 事例検討による少年審判長期化要因の分析
(1) 長期化要因の抽出
(2) 長期化要因別による事例紹介
 ア 証人等多数型
 イ 鑑定必要型〜傷害致死事件
 ウ 複数事実否認型〜住居侵入,強姦未遂,強盗,窃盗事件
 エ 直前否認型
 オ 移送受理型〜恐喝未遂事件
 カ 期日調整困難型
 キ 同時期係属型〜強姦未遂事件(エ(イ)と同一)
 ク 証人出頭確保困難型〜強姦事件
(3) 分析
 5 アンケート結果
(1) 統計的分析
(2) 観護措置期間の制約による不都合等
(3) 要保護性の調査時期
 6 観護措置期間内で審理を終了させるための方策
(1) 審理運営上の工夫・努力,審判関与者への働きかけ等の必要性
(2) 具体的方策
 ア 事件受理,観護措置段階
 イ 記録検討段階
 ウ 打合せ段階
 エ 実質審理の段階
 オ 処分決定の段階
 7 まとめ
第5 検察官関与
 1 制度の導入
(1) 制度趣旨等
 ア 制度趣旨
 イ 導入の経緯
 ウ 検察官の役割等
(2) 関与の要件
 ア 犯罪少年
 イ 関与決定が可能な事件の範囲
 ウ 必要性
(3) 検察官の権限
 2 運用状況の概要
(1) 統計的分析
 ア 関与の契機
 イ 証人尋問が行われた事件
 ウ 国選付添人が選任された事件
 エ 裁定合議事件
 オ 観護措置の特別更新がされた事件
 カ 検察官関与決定の理由
 キ 考察
(2) 2類型に分けての事例の紹介
 ア 第1類型に属すると見られる事例
 イ 第2類型に属すると見られる事例
(3) 検察官が関与した審理の実務
 ア 国選付添人の選任手続
 イ 事前打合せ
 ウ 審理計画の策定
 エ 期日指定等
 オ 証人の出頭確保等
 カ 証人尋問の順序・方法
 キ 補充捜査の在り方
 3 検察官からの申出があったが関与決定しなかった事例
(1) 統計的分析
 ア 罪名別等
 イ 審理期間別等
 ウ 証人尋問実施の有無別等
 エ 検察官の申出理由別
 オ 家裁の関与決定をしなかった理由別
(2) 事例の紹介
 ア 争いなしを理由とするもの
 イ 必要性なしを理由とするもの
 ウ その他(殺人,死体遺棄事件)
 エ 考察
 4 アンケート結果
(1) 概要
 ア 出席検察官の活動
 イ 出席検察官の態度
 ウ 出席検察官に対する評価
(2) 検察官関与対象外で複数証人の尋問を実施した事件
 5 まとめ
(1) 検察官関与制度の現状と問題点
(2) 今後の課題
図表,資料


司法研修所論集2005― II (第115号)
司法研修所編
書籍コード 18-09
判型 A5判
頁数 174頁
講 演
裁判の生命………………………………北川弘治
刑事事実認定について…………………松本時夫
現代法理論と法の解釈…………………棚瀬孝雄
21世紀の刑事裁判
 ―裁判員制度運用上の課題と展望―……酒巻 匡

論説
米国特許訴訟第一審手続の現状と展望
 ―及び若干の比較法的考察―…………工藤敏隆


家裁調査官研究紀要 第3号
裁判所職員総合研修所監修
書籍コード 18-08
判型 B5判
頁数 80頁
論 説
思春期前期の心理特性と親子関係
 ―「よい子」が突然きれる現象に関する試論―…………………………大河原美以
研 究
家裁調査実務への『協働(コラボレイティブ)アセスメント』の適用及びその効用
 ―ロールシャッハテスト(包括システム)を用いて―………………………野田昌道
マルチシステムーアプローチによる少年事件の調査
 ―少年や保護者の動機付けに応じた効果的介入を目指して―………小澤真嗣