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内容説明

2007年 4月刊行

量刑に関する国民と裁判官の意識についての研究
 ―殺人罪の事案を素材として―
司法研修所編
書籍コード 19-05
判型 A4判 4色刷
頁数 240頁
 刑事裁判の量刑に関しては,それまでもいくつかの研究が行われており,特定の犯罪類型について,量刑因子を分析・整理し,それが実際の量刑にどのような影響を及ぼしたかが実証的に明らかにされてきたが, ……今後の量刑実務に対して有用な研究はなにかということを考えた場合,裁判員制度を念頭においた研究を行うのが最も適切であると思われた。 ……それまでの量刑に関する研究は,制度上そうなるのが当然なのであるが,いずれも職業裁判官だけで行った量刑判断の内容を研究したものであって,裁判員が加わった場合の量刑判断という視点を有していなかったからである。 ……裁判員が参加する以上判決の量刑に国民の健全な量刑感覚が反映されるべきことは制度自体が当然予定しているところではあるものの,他方で,裁判結果の公平さというのも本質的要請であるから,裁判体の違いによる量刑の差があまりに大きいと,当事者や被害者の不満,不信を招き,ひいては裁判に対する国民の信頼を喪失する恐れがあるなかで,裁判員制度における量刑評議のあり方を検討する際には,それは有用な基礎資料になり得るものと思われた。 ……裁判員制度の対象事件になることがほぼ確実でイメージが持ちやすいであろう罪種として殺人罪を選択し,いくつかの具体的事例に関するものを中心とした量刑に関するアンケートを,一般国民と裁判官に対して実施し,その結果を分析する研究手法を採ることとし,その実現を司法研修所に依頼した。 ……アンケートは,平成17年夏に実施され,一般国民1OOO人及び裁判官766人から有効回答を得た。 ……今後の検討や理論に向けてのひとつの材料や基礎資料を提供するという意味では,その第一歩は印せたのではないかと思う。(「はじめに」より抜粋)
目次
第1 本研究で実施したアンケートの概要
  アンケートの目的/アンケートの実施方法/アンケートの内容
第2 アンケート結果の概要
  有効回答数/回答者の属性に関する質問への回答/刑罰のイメージに関する質問への回答/個別の量刑因子の評価に関する質問への回答/その他の事項に関する質問への回答/事例に関する質問への回答/刑罰を決める上で必要な情報が何かに関する質問への回答
第3 アンケート結果の検討
  回答者の属性と回答結果との関係/一般国民の刑罰観と具体的量刑意見の関係/量刑因子の個別質問部分における一般国民の回答と裁判官の回答の比較/事例質問部分における一般国民の回答と裁判官の回答比較
第4 裁判員制度下での量刑についての評議に関する留意点
第5 刑事法学的視点から見た今回の結果の意味するもの
  1 今回の調査研究の結果(量刑実務の基本/裁判官の量刑評価の安定性と量刑相場の機能/裁判官は国民より多くの因子に着目し,個々の因子を総合して評価する/国民の量刑評価は裁判官のそれと著しく乖離しているのか)
  2 量刑相場と量刑因子(量刑相場の意味/実務上量刑において考慮されている事情/今回の調査研究と具体的量刑因子)
  3 「量刑論」の意義(戦後の刑罰論/相対的応報刑論と量刑論/応報と量刑/学説と実務の関係―幅の理論の理解の違い)


重版 刑事第一審公判手続の概要(平成19年版)
     ―参考記録に基づいて―
司法研修所監修
書籍コード 19-07
判型 A5判
頁数 252頁
 本書は,司法研修所の教材として用いられている「刑事第一審公判手続の概要(解説)―参考記録に基づいて―」と「刑事第一審公判手続の概要(参考記録)」を合冊したものです。
 平成2年に刊行された右教材は,公訴の提起から判決宣告に至るまでの刑事第一審公判手続の概要につき事件記録に即して解説したものであり,司法修習生の必読の書として利用されてきました。
 今回,新たな争点整理手続である「公判前整理手続」の導入を始めとする種々の刑事訴訟法及び刑事訴訟規則の改正が行われたことを契機に,これまで使用してきた参考記録を大きく変更するとともに,本書の内容についても大幅に加筆訂正を行いました。付録の刑事第一審公判手続図解も改めるなどして,より利用しやすいものにしました。
 司法修習生のみならず実務に携わる各位の好個の参考資料と思われますので,頒布することといたしました。
目次抜粋
第1  刑事訴訟記録の編成
 訴訟記録
 4分方式
  (1)第1分類
  (2)第2分類
  (3)第3分類
  (4)第4分類
 第1分類前の書類
  (1)記録表紙
  (2)押収物総目録
  (3)訴訟費用明細書
  (4)記録目録
第2  公判手続
 公訴の提起
  (1)起訴状の記載要件
  (2)起訴状一本主義
  (3)公訴提起に伴う措置
  (4)起訴状の受理
 事件の配点(事務分配)
 公判準備手続
  (1)裁判所が行う手続
  (2)事前準備
  (3)公判前整理手続
 第1回公判期日前の勾留に関する処分
 公判期日手続
  (1)公判手続の諸原則
  (2)公判手続の素描
  (3)冒頭手続
  (4)証拠調手続
  (5)被害者等による意見の陳述
  (6)論告,弁論,最終陳述
  (7)判決
 付随手続
  (1)勾留
  (2)保釈
第3  参考記録事件の判決書
 判決書
 判決書の説明
  (付録)
   事項索引
   条文索引
   第一審公判手続の流れ
   公判前整理手続に付された脚件の流れ
  (巻末)参考記録


司法研修所論集 2006 (第116号)
司法研修所編
書籍コード 19-08
判型 A5判
頁数 138頁
講 演
法的思考について
―実践知=賢慮と法的議論・判断― ……田中成明
ビジネスに生きる民法 ……………………中田裕康
裁判員制度の下における公判の在り方 ……長沼範良
論 説
対抗要件を具備していない担保権の破産・
民事再生手続上の地位 ……………………甲斐哲彦


法廷通訳ハンドブック 実践編
【モンゴル語】
最高裁判所事務総局刑事局監修
書籍コード 19-04
判型 A5判
頁数 188頁
 法廷での特殊な用語,法律的な知識など法廷通訳に特有の事項を理解するうえでの手助けになるようにとの目的で平成元年度から順次刊行された法廷通訳ハンドブックの姉妹編として作成されたもの。
 実践的な内容とするため,第1編では刑事手続の流れに沿って,通訳人からよく質問される事項をQ&Aの形でまとめ,第2編では,控訴審の手続をできるだけ平易に説明するとともに,第3編及び第4編では,法廷で使用されることの多いやりとりの具体例や,法律用語などの通訳例を,できる限り網羅的に掲載するよう配慮されている。