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内容説明

2007年11月発行

最高裁判所判例解説 刑事篇
(平成16年度)
法曹会編
書籍コード 210116
判型 A5判上製函入
頁数 670頁
 平成16年度の最高裁判所判例集に登載された刑事判例23件のすべてについて,最高裁判所の調査官が判示事項,裁判の要旨等を摘示し,かつ,当該裁判について個人的意見に基づいて解説したもの(法曹時報第58巻第4号より第59巻第7号までに掲載)を集録したものです。


民事訴訟における事実認定
司法研修所編
書籍コード 19-22
判型 A5判
頁数 422頁
 本研究は,民事訴訟における事実認定の実務を研究するものである。
 この分野における司法研究の先例としては,「民事裁判における『推定』について」(昭和29年度司法研究・司法研究報告書第8輯第6号)と「裁判における心証形成の諸問題」(昭和35年度司法研究・司法研究報告書第14輯第8号)がある。前者は推定をテーマとしたものであり,後者は,民事,刑事共通のテーマとして心証形成を扱ったものである。今回の司法研究は,民事事実認定の分野としては四十数年振りのものであり,かつ事実認定全般を幅広く対象とするものである。
 このようなことから,研究の対象として取り上げるべき課題は多岐にわたるものがあるが,今回は,事実認定に関する判例法理を整理・検討するとともに,裁判実務において培われ,受け継がれてきた様々な事実認定の技法や考え方をできるだけ明確に言語化し,法曹全体の共有財産とすることを目指すこととした。具体的な研究の方法は序章に記載したとおりであるが,特に事実認定の技法等については,インタビュー,アンケートを通じて,裁判実務に携わる多くの先輩,同僚裁判官から聴き取りを行い,実務の知恵と経験を集積することに努めた。
 東京,大阪,名古屋をはじめとする全国各地の高裁,地裁の裁判官には,本研究の趣旨に御理解を頂き,御多忙中にもかかわらず,判決の収集,インタビュー,アンケートに格別の御協力をいただいた。インタビューに応じていただいた高裁の裁判官は,東京高等裁判所 赤塚信雄判事,同 岩井俊判事,同 江見弘武判事,同 鬼頭季郎判事,同 横山匡輝判事,大阪高等裁判所 井垣敏生判事,同 小田耕治判事,同 松山恒昭判事,同 柳田幸三判事,名古屋高等裁判所 中込秀樹長官,同 青山邦夫判事,同 熊田士郎判事,同 田中由子判事,同 野田武明判事(所属・官職はインタビュー当時のもの)の14名である。これらの裁判官には,事実認定の技法,在り方,裁判に対する姿勢,思いを語っていただいたのみならず,我々研究員に対して貴重な助言と暖かい励ましのお言葉をいただいた。ここに特にお名前を記してお礼を申し上げたい。また,司法研修所,最高裁判所事務総局民事局,各研究員所属の裁判所には,本研究全般についての御援助と,研究環境についてのご配慮をいただいた。ここに改めて深甚の謝意を表するものである。(はしがきより)
目次
第1章 事実認定の基礎
第1節  証明度
第1  民事事件における最高裁判例
 ルンバール事件判決
 長崎原爆被爆者事件判決
第2  刑事事件における最高裁判例
第3  学説
 一般的な考え方
 証拠の優越および優越的蓋然性
 二つの概念に分析する考え方
 検討
 間接事実の証明の程度
第2節  民事訴訟における事実認定の特徴
第1  職権証拠調べの禁止
第2  証明の対象となる事実の限定
第3  証拠調べの種類・方法の限定
第4  事実と法的評価
第3節   書証と人証
第1  書証
 処分証書と報告文書
 書証の形式的証拠力
 書証の実質的証拠力
第2  人証
第3  書証と人証の特徴
第4節  動かし難い事実とストーリーの合理性
第1  動かし難い事実
第2  ストーリーの構築と合理性の判断
第5節   経験則
第1  意義
第2  書証の重要性と経験則との関係
第3  経験則の証明
第6節  推定
第1  法律上の事実推定
第2  法律上の権利推定
第3  事実上の推定
第4  解釈規定
第5  暫定真実
第6  法定証拠法則
第7節  直接証拠による認定と間接事実による認定
第8節  全体像の把握
第1  「鳥の目」と「虫の目」の使い分け
第2  時系列表
第3  図式化
第4  物語方式
第9節  事実認定の精度を向上させるための留意点
第1  「動かし難い事実」(間接事実)の十分な把握
 記録の精読
 充実した争点整理
 想像力
第2  証拠調べ自体の質の向上
第3  当事者への質問
第4  同僚等との議論
第5  経験則には常に例外が伴うことの認識
第2章 各種証拠方法の証拠力
第1節  はじめに
第2節  書証
第1  民事訴訟の事実認定における書証の位置付け
第2  文書の種類
 総論
 公文書・私文書
 処分証書・報告文書
 原本・正本・謄本・抄本
第3  文書(書証)の証拠能力と証拠力(証明力,証拠価値)
 証拠能力
 証拠力(証明力,証拠価値)
第4  文書の成立の真正(形式的証拠力)
 文書の成立の真正の意義
 文書の作成者
 挙証者による文書の作成者の特定の要否
 挙証者の特定した作成者と異なる作成者が認定された場合に当該書証を証拠として用いることの可否
 文書の成立の真正の認定(その1)〜文書の成立の推定
 文書の成立の真正の認定(その2)〜反証等
 文書の成立の真正・二段の推定の認定全般について
 文書の成立の真正の認定(その3)〜文書の成立についての相手方の認否及び自白の拘束力
第5  書証の実質的証拠力
 書証の実質的証拠力の概念
 書証に関する実質的証拠力判断の在り方
第6  書証を検討する際の実務的な留意点
 原本の確認
 書証自体の物理的側面からの検討
 書証の作成時期等からの検討
 書証の内容から吟味する視点
第3節  人証
第1  はじめに
第2  証人の証言と当事者本人の供述
第3  供述の信用性判断
 人証そのものに着目した場合のポイント
 供述の仕方に着目した場合のポイント
 供述内容に着目した場合のポイント
第4節  鑑定
第1  証拠調べとしての鑑定の概念
第2  鑑定の対象
第3  鑑定と自由心証
第3章 契約類型による事例分析
第1節  はじめに
第1  本章における分析対象
第2  契約の成立
 契約の成否と意志主義・表示主義
 契約プロセス
第2節  保証契約の成否
第1  はじめに
第2  保証契約の特色及び問題の所在
第3  保証契約の成立は訴訟においてどのような形で争われるか
第4  保証の成否に係る認定に際し考慮すべき事実
 はじめに
 当事者間に契約書その他の書面が存する場合
 当事者間に契約書その他の書面が存しない場合
第5  参考裁判例
 保証人が保証契約書(保証文言が明確な証書)に書名押印した場合
 当事者間で取り交わされた書面に明確な保証文言がなく,その他の文言がある場合
 保証条項のない主債務の契約書に「引受人」,「仲介人」,「立会人」,「証人」等の肩書で,あるいは肩書なく署名押印した場合
 当事者間に書面が存しない場合
第6  民事保証と手形保証
 問題の所在
 二つの最高裁判例
 検討
第3節  売買契約の成否
第1  はじめに
第2  売買契約の成否
 売買契約の成立の認定に際し考慮すべき事実
 参考裁判例
第3  代金未定の売買契約の成否
 はじめに
 「時価」と売買契約の成否
 参考裁判例
第4  売買の目的物
 売買の目的物の認定に際し考慮すべき事実
 参考裁判例
第5  売買の当事者
 売買の当事者の認定に際し考慮すべき事実
 参考裁判例
第6  売買か賃貸借かが争われた事例
 認定に際し考慮すべき事実
 参考裁判例
第4節  消費貸借契約の成否
第1  はじめに
第2  消費貸借の成否に係る認定に際し考慮すべき事実