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内容説明

2009年9月発行

救済命令等の取消訴訟の処理に関する研究(改訂版)
司法研修所編
書籍コード 21-12
判型 A5判
頁数 328頁
 我々が救済命令取消訴訟について,司法研究を命じられ旧版を刊行したのは,昭和62年であった。当時我々は,東京地裁の労働専門部や名古屋地裁の労働集中部に在籍しており,救済命令取消訴訟を取り扱った経験を有することから,その経験に基づいて,この種事件に関する訴訟手続上及び実体法上の諸問題について,事件処理上の手引書を作成することを目的としたものであった。
 法曹会から,在庫がなくなったので,その後の判例,学説や実務の運用状況を取り込んで,改訂版を出してほしいとの依頼を受けたのは,7,8年前になるが,丁度そのころは,司法制度改革作業のさなかであって,労働裁判についても検討がされていたので,それが一応の決着を見るまで,改訂作業を待つこととした。この度司法制度改革作業も一応の決着を見たのを機会に,改訂をすることとした。
 今回の司法制度の改革においては,原告適格や被告適格の規定を改めた行政事件訴訟法の改正があり,また,労働委員会における不当労働行為審査の迅速化及び的確化のため,審査の手続及び体制の整備に関する労働組合法の改正があったものの,救済命令取消訴訟に関しては大きな変更はなかった。そこで,改訂は,旧版刊行後の判例,学説や実務の運用状況を取り入れることが主となった。今回の改訂作業は,専ら,藤山が第1次原稿を作成し,他の者は,藤山の作成した原稿について参考意見を述べる程度にとどまったが,本書の内容については我々の共同責任であることはいうまでもない。我々は,現在は,労働事件の担当を離れているため,最近の実務の運用については,東京地裁労働部を始め,大阪地裁及び横浜地裁の労働部から貴重な御教示をいただいた。また,最高裁判所事務総局行政局及び最高裁判所行政調査官室からは,最近の事件の動向や協議会における協議の結果などの資料の提供その他で様々な御配慮をいただいた。これら関係の方々に厚くお礼を申し上げる。
 改訂版が旧版と同じく,この種事件の実務の参考となることができれば,幸いである。
(本書「はしがき」より)
目  次
第1   概 説
    事件の概観
    手続の概要
    事件処理の問題点
第2   訴訟手続
    当事者及び管轄
    出訴期間
    取消訴訟の対象
    取消訴訟と再審査申立てとの関係
    訴えの利益
    原告適格
    使用者について破産手続開始決定等がされた場合の取扱い
    訴訟参加
    訴訟代理人等
第3   審 理
   
    審理の対象
    主張・立証責任
    主張・立証の制限
    審理の方法
    和解その他
第4   判 断
    救済命令等の違法事由の一般論
    救済申立ての適否に関する認定判断の誤り―違法事由
    労働委員会の審理手続の違法―違法事由
    不当労働行為の有無に関する認定判断の誤り―違法事由
    被救済利益の有無に関する認定判断の誤り―違法事由
    救済方法の選択に関する判断の誤り―違法事由
    違法判断の基準時
    取消しの範囲
第5   執行停止
    救済命令が執行停止の対象となり得るか
    執行停止の要件と審理手続
    執行停止と緊急命令との関係
第6   緊急命令
    はじめに
    緊急命令の法的性質
    緊急命令の申立て
    審理手続
    緊急命令申立てに対する審査
    各種事件における個別的問題
    緊急命令の裁判
    緊急命令の取消し,変更
    緊急命令等の決定に対する不服申立て
第7   救済命令等の違反に対する制裁
    はじめに
    過料に処する手続の概要
    手続上及び実体上の問題点
    過料の裁判に対する不服申立て
  事項索引・条文索引・判例索引


例題解説 新破産法
法曹会編 ISBN 978-4-86684-047-5
書籍コード 310069 新書判 358頁 税込定価 2,043円(本体 1,857)
 「法曹」第663号から第679号まで「ほうそう講座 破産法」として連載したものに,若干の補筆を加えたものである。
 この例題解説は,従前の「例題解説 破産法」の内容を踏まえつつ,現行破産法や破産規則によって新設又は改正された事項や,実務の運用についても解説を加え,その内容をより充実させることを目指した。
 破産法の要点について,できるだけ平易に解説することを心がけたので,基礎知識の習得や執務の参考にしていただければ幸いである。
(本書「はしがき」より)
目  次
第1   破産制度の目的
    破産制度の目的
    破産手続の概要
    他の倒産処理制度との関係
    設例の検討
第2   破産手続開始の申立て
    破産手続開始の申立て
    管 轄
    申立権者
    破産能力
    破産手続開始の原因
    破産障害事由
    申立て手続
    審 理
    予納金
  10   申立ての取下げ
  11   保全処分
  12   設例の検討
第3   破産手続開始とその効果
    破産手続開始手続
    破産手続開始の効果
    破産債権者等に及ぼす影響
第4   破産財団の範囲
    破産財団の意義及び性質
    破産財団の範囲を画する基準―固定主義と膨張主義
    破産財団を構成する財産の範囲
    設問に対する回答
第5   破産管財人の権限と義務
    破産管財人の選任とその地位
    破産管財人の職務とその内容
    破産管財人の責任
    任務の終了と報酬
第6   破産債権の意義とその確定手続
    破産債権の意義
    破産債権の範囲と順位
    破産債権者の地位
    破産債権の届出
    届出債権に対する調査
    破産債権の確定手続
    債権者集会の種類と手続の概要
    債権者委員会
    代理委員
  10   設例の検討
第7   財団債権
    財団債権の意義
    財団債権の範囲
    財団債権の弁済
    設問に対する回答
第8   破産が各種の契約に与える影響
    契約関係の処理の原則
    契約関係の処理の特則
    設例の回答
第9   取戻権
    取戻権
    非典型担保と取戻権
    ファイナンス・リースと取戻権
    説問に対する回答
第10   別除権者の地位
    はじめに
    別除権の概要
    別除権の基礎となる権利
    別除権の行使方法
    破産管財人による別除権のチェック
    別除権者の破産債権行使
    担保権消滅許可申立て
    設問に対する回答
第11   破産手続における相殺
    相殺の担保的機能と破産手続
    相殺権の範囲の拡張
    相殺権の範囲の制限
    破産管財人による催告の制度
    破産管財人からの相殺
    例題の検討
第12   否 認
    否認権の意義
    否認の類型
    否認権行使の要件
    否認権の行使方法
    否認権行使の効果
    否認権の消滅
    否認の登記
    本事例の解決
第13   配 当
    配当の意義と原則
    配当の時期と種類
    簡易配当,最後配当及び同意配当
    中間配当
    追加配当
    設問に対する回答
第14   破産手続の終了
    破産手続の終了事由(設問に対する回答)
    破産手続終結決定による終了
    破産手続廃止決定による終了
    再生計画や更生計画の許可決定による終了
    破産手続開始の取消決定による終了
    破産手続終了後の破産管財人の事務処理
    破産手続終了の効果
第15   同時廃止
    同時廃止決定の意義
    同時廃止の要件
    同時廃止の効果
    同時廃止事件と管財事件との振分基準
    本事例の解決
第16   免 責
    免責制度の意義と理念
    免責の手続
    免責不許可事由と実務上問題となる論点
    免責審理期間中の強制執行の禁止
    免責の効力
    免責取消し
    設問に対する回答
第17   破産手続と他の倒産処理手続の関係
    破産手続と他の倒産処理手続きの選択
    破産手続と他の倒産処理手続きの優劣関係
    再生手続又は再生手続から破産手続への移行
  判例索引・条文索引・事項索引