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内容説明

2011年4月発行

最高裁判所判例解説 刑事篇(平成19年度)
法曹会編
書籍コード 210119 A5判上製函入 560頁  
 平成19年度の最高裁判所判例集に登載された刑事判例22件のすべてについて,最高裁判所の調査官が判示事項,裁判の要旨等を摘示し,かつ,当該裁判について個人的意見に基づいて解説したもの(法曹時報第61巻第4号より第62巻第12号までに掲載)を集録したものです。


交通事故損害賠償実務の未来
中西 茂 ほか24名 共著
書籍コード 302308 A5判上製カバー付き 330頁  
 交通事故をめぐる損害賠償論は,日常生活上身近で人々が巻き込まれることの少なくない不法行為事案について,生命,身体又は財産権に侵害を受けた被害者の適切な保護の在り方を論ずるものである。この分野では,判例と学説が長年にわたって蓄積されており,損害賠償額の算定等に関しては基準が発表されている等,実務の扱いが安定してきているといえるが,交通事故関係訴訟も現実に起きた紛争を扱うものであり,社会や環境の変化に伴って,常に新たな問題が起きている。近時は,医学的知見の進歩や判例理論の進展を受けて,これまでなかったような複雑な問題も生じている。
 本書は,平成20年度から平成21年度にかけて,交通事故関係訴訟を専門的又は集中的に扱っている4つの裁判部(東京地方裁判所民事第27部,大阪地方裁判所第15民事部,名古屋地方裁判所民事第3部,横浜地方裁判所第6民事部)に所属した裁判官が,上記のような新たな問題点からいくつかのテーマを取り上げ,月刊法曹専門誌である法曹時報の第61巻第9号から第62巻第5号まで5回にわたって連載して,論じたものである。第5回では,交通事故と医療事故が競合した場合の問題について,東京地方裁判所の医療集中部の裁判官による論考も掲載している。
 各論考は,担当者が基調報告を執筆し,これに対して,担当者の所属庁以外の3庁の裁判官が意見を執筆するという,誌上討論の構成になっている。それぞれのテーマごとに,各地裁の裁判官が意見を述べているが,所属庁の他の裁判官の意見を参考にしたとしても,担当した裁判官の個人的な意見であることはいうまでもない。また,それぞれが誌上で意見を述べる構成であるため,議論の過程が現れる一方で,実際に議論を重ねて,問題点を整理,深化させたものではなく,議論に未成熟な点があることは否定できない。各裁判官の意見が基本的な点で一致していないところも少なくないし,意見が一致した箇所があるとしても,上記の各論考の性格に照らし,これが4庁の統一見解となるわけではなく,もちろん,今回新たな基準を設けたものでも,新たな基準となるべきことを目指したものでもない。
 各論考については,問題点の提起と,これに対する議論の出発点として理解していただければと考えている。
 本書が,交通事故損害賠償実務において今後現れる問題点を考察される上での一助となれば,関係者一同にとって深いよろこびである。
(はしがきより)
目 次
はしがき
第1回 交通事故と医療過誤との競合問題の所在と議題
1 最近の民事交通訴訟事件の複雑化の諸相
2 交通事故と医療過誤の交錯する事案の主な類型等
3 基調報告の要点
4 今回の討議における主な議題
基調報告 交通事故と医療過誤の競合
第1 はじめに
第2 交通事故の加害者が本来負担すべき損害賠償の範囲
1 民法709条の不法行為における損害賠償の範囲
2 交通事故の加害者が賠償責任を負担する「通常損害」の範囲
3 共同不法行為の成立を主張する意義
第3 共同不法行為の成立要件等をめぐる判例,学説の状況
1 最高裁判例
2 学説の状況等
第4 請求原因における共同不法行為の主張
1 学説の対立の根本―分割責任の可否
2 関連共同性について
3 民法719条1項前段と後段との関係
4 交通事故と医療事故が競合する場合における関連共同性
第5 民法709条に基づく請求と共同不法行為の主張
1 前掲最三小判平成13.3.13民集55巻2号328頁における共同不法行為
2 原因競合と寄与度による減責
3 再抗弁としての共同不法行為の主張
4 交通事故による症状が快復途中にあった場合に医療事故が生じたとき
各庁所属裁判官の意見
1 議題1(交通事件の複雑化)について
2 議題2(交通事故と医療過誤の競合事案の類型)について
3 議題3(共同不法行為を主張するメリット・意義)について
4 議題4(平成13年最判の射程等)について
5 議題5(複数の交通事故が競合した場合の取扱い)について
各庁所属裁判官の意見
1 交通訴訟の困難性(議題1関係)
2 交通事故と医療過誤(議題2ないし4関係)
3 交通事故が連続し,第1事故の症状固定前に第2事故が起きた場合(議題5関係)
各庁所属裁判官の意見
1 議題1(交通事件の複雑化)について
2 議題2(交通事故と医療過誤の競合事案の類型)について
3 議題3(共同不法行為を主張するメリット・意義)について
4 議題4(平成13年最判の射程等)について
5 議題5(複数の交通事故が競合した場合の取扱い)について
第2回 損害賠償債務に対する各種給付等の充当問題等
議題事項
1 自賠責保険,加害者加入任意保険及び労災保険以外の各種給付
2 最高裁判例の解釈
3 平成5.3.24最高裁大法廷判決の射程
4 社会保険給付と遅延損害金のてん補について
基調報告 損害賠償債務に対する各種給付等の充当問題等
第1 はじめに
第2 各種給付の概要
1 自賠責保険給付(政府の自動車損害賠償事業てん補金)
2 任意保険給付
3 各種社会保険給付の概要
第3 判例の概観
1 問題点
2 控除の対象とならない給付についての判例
3 控除の対象となる給付についての判例
第4 判例の考え方の分析
第5 社会保険給付と遅延損害金のてん補について
1 はじめに
2 大阪地裁平成21年判決の考え方
3 公的給付の性質に基づくアプローチ
4 代位の趣旨に基づくアプローチ
5 損益相殺的な処理が必要とされる場合について
第6 おわりに
各庁所属裁判官の意見
1 議題1(事例の紹介)について
2 議題2(最高裁判例が挙げる各種給付の控除理由)について
3 議題3(最高裁判所平成5年3月24日大法廷判決の射程等)について
4 議題4(社会保険給付と遅延損害金のてん補)について
各庁所属裁判官の意見
1 議題1(事例の紹介)について
2 議題2(最高裁判例が挙げる各種給付の控除理由)について
3 議題3(平成5年最判の射程等)について
4 議題4(社会保険給付と遅延損害金のてん補)について
各庁所属裁判官の意見
1 議題1(事例の紹介)について
2 議題2(最高裁判例が挙げる各種給付の控除理由)について
3 議題3(平成5年最判の射程等)について
4 議題4(社会保険給付と遅延損害金のてん補)について
第3回 逸失利益と過失相殺をめぐる諸問題
問題の所在と議題
1 逸失利益と過失相殺
2 若年者非正規労働者及び高年齢者の基礎収入の算定
3 過失相殺
議題1(若年者非正規労働者の基礎収入)について
議題2(高年齢者雇用安定法下の高年齢者の定年後の基礎収入)について
議題3(飲酒運転者の過失割合及び同乗者の減額割合)について
議題4(酒類提供者の不法行為責任)について
議題5(シートベルト不着用の過失割合)について
基調報告 逸失利益と過失相殺をめぐる諸問題
第1 はじめに
第2 逸失利益―基礎収入
1 逸失利益の算定方法
2 若年非正規雇用者の逸失利益―基礎収入
3 定年退職後の逸失利益―基礎収入
第3 過失相殺
1 過失相殺
2 飲酒運転者及び関係者の過失割合
3 後部座席のシートベルト着用義務懈怠
各庁所属裁判官の意見
1 議題1(若年者の非正規労働者の基礎収入)について
2 議題2(高年齢者雇用安定法の下での,高年齢者の定年後の基礎収入)について
3 議題3(飲酒運転者の過失割合及び同乗者の減額割合)について
4 議題4(酒類を提供したり,勧めた個人の不法行為責任)について
5 議題5(後部シートベルト不着用の過失割合)について
各庁所属裁判官の意見
1 基調報告「第1 はじめに」について
2 議題1(若年者の非正規労働者の基礎収入)について
3 議題2(高年齢者雇用安定法の下での,高年齢者の定年後の基礎収入)について
4 議題3(飲酒運転者の過失割合及び同乗者の減額割合)について
5 議題4(酒類を提供したり,勧めた個人の不法行為責任)について
6 議題5(後部シートベルト不着用の過失割合)について
各庁所属裁判官の意見
議題1(若年者の非正規労働者の基礎収入)について
議題2(高年齢者雇用安定法の下での,高年齢者の定年後の基礎収入)について
議題3(飲酒運転者の過失割合及び同乗者の減額割合)について
議題4(酒類を提供したり,勧めた個人の不法行為責任)について
議題5(後部シートベルト不着用の過失割合)について
第4回 自転車事故と過失相殺
基調報告
第1 はじめに(本論考の目的等について)
1 ・・・・・・
2 歩行者と自転車をめぐる状況の変化
3 歩行者自転車事故に関する過失相殺基準の必要性について
第2 日弁連分析の内容
1 日弁連分析の構成
2 総説(第1章)の内容の要旨
3 自転車事故の過失相殺と類型化(第5章)の内容の要旨
4 歩行者と自転車との事故の要旨
第3 日弁連分析についての考察
1 日弁連分析の目的について
2 日弁連分析の自転車事故の過失相殺に関する総論的な考え方について
3 日弁連分析の事故類型別の過失相殺基準の検討内容に対する若干の考察
第4 おわりに
第5 誌上討論
各庁所属裁判官の意見
1 はじめに
2 議題1について
3 議題2について
各庁所属裁判官の意見
1 自転車事故に関する最近の動向
2 自転車事故に関する訴訟事件の現状等
3 事故類型の分類について
4 横浜地裁の考察について
5 裁判例
各庁所属裁判官の意見
第5回 総括と展望
議題事項
基調報告に代わる「総括と展望」
1 第1回のテーマである「交通事故と医療過誤との競合」についての総括
2 第2回のテーマである「損害賠償債務に対する各種給付等の充当問題等」について
3 第3回のテーマである「逸失利益と過失相殺をめぐる諸問題」について
4 第4回のテーマである「自転車事故と過失相殺」について
5 全体を通しての総括
6 今後の展望
交通事故と医療過誤との競合
1 議題2(交通事故と医療過誤との競合が問題とされる事案の類型)について
2 議題3(共同不法行為の成立を主張する意義・メリット)について
3 議題4(損害の意義,平成13年最判の射程,共同不法行為における関連共同性,共同不法行為における因果関係及び損害,過失相殺並びに寄与度減責等)について
4 議題5(複数の交通事故が競合した場合の取扱い)について
参考裁判例
1 共同不法行為の成立を肯定した裁判例
2 共同不法行為の成立を否定した裁判例
関連共同性に関する裁判例の分析(一覧表)
各庁所属裁判官の意見
1 議題1(報告書に対する感想等)について
2 議題2(連載全体についての意見及び感想)について
3 議題3(総括についての意見等)について
各庁所属裁判官の意見
1 議題1(報告書に対する感想等)について
2 議題2(連載全体についての意見及び感想)について
3 議題3(総括についての意見等)について
各庁所属裁判官の意見
1 議題1(報告書に対する感想等)について
2 議題2(連載全体についての意見及び感想)について
3 議題3(総括についての意見等)について
判例索引
大審院
最高裁判所
高等裁判所
地方裁判所


現代型民事紛争に関する実証的研究
―現代型契約紛争(1)消費者紛争
司法研修所編(司法研究報告書第63輯第1号)
書籍コード 23-02 A5判 130頁  
 本研究は,「現代型民事紛争に関する実証的研究―現代型契約紛争」として,消費者紛争を研究するものである。
 消費者紛争は,消費者法についての法律的知識に加え,紛争の社会的実態などについての知識や理解が必要な事件類型の1つであるとともに,そこで示される司法判断は,消費者の日常生活や事業者の活動に大きな影響を有する。
 そこで,本研究では,消費者紛争の実態を的確にとらえた事実認定や適正妥当な解決に資することを目的として,紛争の背景となる実態や特有の経験則などについて調査を行い,これを踏まえた事実認定・法的判断上の留意点や訴訟運営の在り方などを検討した。
 本研究においては,関係団体等との間で意見交換の機会を持ち,消費者紛争及び紛争処理の実情等についてのご意見をいただいた。併せて,東京,大阪の地裁,簡裁の裁判官へのアンケートを実施し,審理の現状等について回答をいただいた。本研究にご協力いただいた多数の方々に対し,お礼を申し上げたい。
 また,司法研修所,最高裁判所事務総局民事局,研究員所属の裁判所には,本研究全般についてのご援助と,司法研修所における特別研究会等への参加など研究環境についてのご配慮をいただいた。ここに改めて謝意を表するものである。
(本書はしがきより)
目 次
第1 消費者紛争の実態
1 消費者紛争の特徴
2 消費者紛争の紛争実態
3 外から見た裁判手続への意見
4 実態に即した審理・認定判断の重要性
第2 消費者紛争の審理・認定判断上の諸問題
1 不当勧誘事案における諸問題
2 不当条項事案における諸問題
第3 今後の消費者紛争処理の在り方〜消費者紛争の実態を踏まえて
資料1 消費生活相談員らインタビュー集
資料2 事業者側インタビュー集
資料3 行動経済学及び社会心理学の知見
資料4 消費者契約法4条に関する説明,論点


司法研修所論集 2010(第120号)
司法研修所編
書籍コード 23-03 A5判 114頁  
講演
損害賠償法の今日的課題
 ―損害概念と損害額算定をめぐる問題を中心に― …窪田充見
対談
米国におけるクラスアクション及び集団訴訟の現状と課題
  ―大量被害不法行為訴訟を中心として― …ジャック・ワインスタイン
永野厚郎


法廷通訳ハンドブック 実践編
最高裁判所事務総局刑事局監修
A5判 約214頁
【英語】(改訂版) 定価 2,750円(本体 2,500)
書籍コード 30-18 ISBN 978-4-86684-004-8
【韓国・朝鮮語】(改訂版) 定価 2,409円(本体 2,190)
書籍コード 23-05
【ポルトガル語】(改訂版) 定価 2,750円(本体 2,500)
書籍コード 31-16 ISBN 978-4-86684-035-2
 法廷での特殊な用語,法律的な知識など法廷通訳に特有の事項を理解するうえでの手助けになるようにとの目的で平成元年度から順次刊行された法廷通訳ハンドブックの姉妹編として作成されたもの。
 できるだけ実践的な内容とするため,第1編では刑事手続の流れに沿って,通訳人からよく質問される事項をQ&Aの形でまとめ,第2編では,控訴審の手続をできるだけ平易に説明するとともに,第3編及び第4編では,法廷で使用されることの多いやりとりの具体例や,法律用語などの通訳例をできる限り網羅的に掲載するよう配慮されている。
 なお,本書の初版が刊行されてから10年以上が経過しており,その間,法改正や新法の制定が行われ,刑事裁判に関する様々な制度(公判前整理手続,即決裁判手続,裁判員の参加する刑事裁判手続,犯罪被害者等が刑事裁判に参加する制度等)が実施されている。
 そこで,今回,これらの法改正等を踏まえて,初版の内容を見直し,所要の改訂を行いました。
目 次
第1編 刑事裁判手続における通訳人の留意事項
第1章 一般的注意事項
第2章 勾留質問手続
第3章 起訴後第1回公判期日前まで
第4章 公判手続
第5章 その他の留意事項
第2編 控訴審における刑事手続の概要
第1章 控訴審とは
第2章 控訴の申立て等
第3章 控訴審の手続
第3編 法廷通訳参考例
第1章 勾留質問手続
第2章 公判手続
第3章 第一審における判決主文の例
第4章 控訴審における判決主文の例
第5章 第一審における判決理由
第6章 控訴審における判決理由
第4編 法律用語等の対訳
第1章 法律用語の対訳
第2章 法令名
第3章 罪 名
資 料
証拠等関係カードの略語表
第一審手続概要
控訴審手続概要


家裁調査官研究紀要 第11号
裁判所職員総合研修所監修
書籍コード 23-07 B5判 58頁  
研 究
発達障害が疑われる少年の調査方法について
 ―調査,教育的措置等のためのツールの検討―
・・・高木健二ほか
家事調停のビジュアル化を目指して
 ―当事者への効率的な働きかけを行うために―
・・・大場康弘ほか
資 料
少年調査実務におけるP−Fスタディの活用
・・・中山邦夫ほか