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内容説明

2020年5月発行

成年後見ハンドブック
平田 厚 著 ISBN 978-4-86684-044-4
書籍コード 500204 A5判 216頁 定価 2,750円(本体 2,500)
 成年後見制度は,以前の禁治産宣告制度が全面的に改正されて,平成12(2000)年4月1日からスタートしました。したがって,すでに施行後20年目を迎えることになるのですが,増加していく社会的ニーズに対して十分に応えられているのかが問題となり,平成28(2016)年に成年後見制度利用促進法と成年後見事務円滑化法が成立し,平成29(2017)年3月24日に閣議決定された成年後見制度利用促進基本計画のもと,さらなる運用強化が図られています。
 成年後見制度利用促進基本計画では,@利用者がメリットを実感できる制度・運用の改善,A権利擁護支援の地域連携ネットワークづくり,B不正防止の徹底と利用しやすさとの調和などが挙げられています。このような基本計画の趣旨も踏まえ,裁判所において成年後見制度の申立てに関する統一書式が作成され,令和2(2020)年4月1日から使用されることとされています。成年後見制度の利用促進については,成年後見制度が対象者の行為能力制限をもたらすことから慎重でなければならないのですが,そうだからといって,制度利用にあまりに時間がかかってしまっては,対象者の権利擁護制度としては十分とはいえません。
 したがって,成年後見制度の対象者である本人の支援のために,本人の権利を最大限に尊重しつつ,申立権者と家庭裁判所が共働することによって,効率的な申立てから適切な開始審判がなされるべきだろうと思います。そのような意味をもって,先に示された「診断書作成の手引」と「本人情報シート作成の手引」に加え,このたび新たに,成年後見制度の申立てに関する統一書式が作成されたと思います。
 本書では,この4月から使用されることとなった統一書式を盛り込ませていただき,本人の権利の尊重と効率的な制度の運用が図られるように解説することを心がけました。したがって,本書では,成年後見制度全体を取り巻くさまざまな問題を検討したうえで,新しい申立てに関する統一書式を示しておこうと思います。
(はしがきより)

目 次 抜 粋

はしがき
略語表
第1章 成年後見制度のコンセプト
はじめに
1 禁治産宣告制度から成年後見制度へ
2 自己決定権(意思決定権)の尊重の理念
3 障害福祉サービスに関する意思決定支援ガイドライン
4 認知症の人に関する意思決定支援ガイドライン
第2章 成年後見等開始の申立て
はじめに 成年後見制度の注意点
1 成年後見等開始の申立ての内容
2 申立権者
3 申立ての要件
4 申立ての資料
5 申立ての取下げ
第3章 成年後見制度の利用支援・利用促進
はじめに
1 市町村長の申立権
2 成年後見制度利用支援事業の概要
3 高齢者虐待防止法と利用支援
4 障害者虐待防止法と利用支援
5 成年後見制度利用促進法の概要
6 成年後見関係事件の概況の推移
第4章 成年後見等開始の審判
はじめに
1 成年後見開始審判等の審判手続
2 成年後見開始審判等の効果
3 成年後見開始審判等と同意権・取消権
4 成年後見開始審判等と代理権
5 成年後見人等の選任
6 開始審判・選任審判の変更・取消し・不服申立て
第5章 審判前の保全処分
はじめに
1 審判前の保全処分の意味
2 後見開始等の審判前の保全処分の種類・内容
3 後見開始等の審判前の保全処分の申立て
4 後見人等の解任の審判前の保全処分の種類・内容
5 後見人等の解任の審判前の保全処分の申立て
第6章 複数後見・法人後見の審判
はじめに
1 複数後見の意味
2 複数後見が有効と考えられる事件類型
3 法人後見の意味
4 法人後見が有効と考えられる事件類型
第7章 成年後見人等の職務と権限
はじめに
1 成年後見人等の職務
2 成年後見人等の財産管理権
3 成年後見人等の身上配慮権
4 成年被後見人の意思尊重義務と身上配慮義務
第8章 成年後見監督
はじめに
1 成年後見監督の意味
2 成年後見事務の報告
3 成年後見監督人等選任の申立て
4 成年後見監督人等の職権による選任
5 成年後見監督人等の職務
6 後見制度支援信託及び後見制度支援預貯金との関係
7 成年後見人等による不正行為等が疑われる場合の対応
第9章 成年後見制度の費用と報酬
はじめに
1 申立てに関する費用
2 後見事務に関する費用
3 成年後見人等の報酬
第10章 成年後見等の終了
はじめに
1 成年後見等の終了
2 成年後見人等の辞任
3 成年後見人等の解任
4 成年後見人の終了後の事務・死後事務
第11章 成年後見人等の対外的責任
はじめに
1 不法行為に関する民法の規律
2 法定の監督義務者の該当性
3 準監督義務者の概念
4 準監督義務者の該当性
第12章 任意後見契約法
はじめに
1 任意後見契約
2 任意後見監督人選任の申立て
3 申立ての資料
4 任意後見人・任意後見監督人の職務
5 任意後見契約の終了
書式・資料・審判書索引


司法研修所論集 2019(第129号)
司法研修所編 ISBN 978-4-86684-041-3
書籍コード 500205 A5判 310頁 定価 3,300円(本体 3,000)
講 演

行政裁量の判断過程審査の理論と実務
山 本 隆 司
はじめに/判断過程審査の構造――行政法規の具体化・適用の方法として/判断過程の審査規準/審査対象としての判断過程

インターネット上の表現をめぐる法的問題について
曽我部 真 裕
はじめに/インターネット社会における表現の自由と規制との新たな関係/インターネットにおける表現の自由と人格権/「インターネット上の情報流通の基盤」としての検索サービス

債権法改正と契約責任――履行請求・損害賠償・解除・危険負担を中心として
山 本 敬 三
はじめに/履行請求権とその限界/債務不履行による損害賠償――損害賠償請求の要件/契約の解除/危険負担/終わりに/質疑応答

企業統治に関する最近の会社法制の動向
後 藤   元
はじめに/平成年間の企業統治に関する制度改正の概観/近年の改革で社外取締役に期待される役割/社外取締役と訴訟/社外取締役の実効性の確保

既判力をめぐるいくつかの問題――通説は書き換えられるべきか?
垣 内 秀 介
問題意識とその背景/判決理由中の判断についての拘束力/質疑応答

争点整理の在り方
中 本 敏 嗣
はじめに/争点整理の目的と主体/争点整理の前提(基本を押さえること)/争点整理の時期と回数/気になる争点整理とは何か/当事者・代理人との意見交換・議論を楽しむこと/中盤,終盤段階の争点整理について指摘したいこと/その他争点整理について考えること/高裁から一審の争点整理について考えること/おわりに(特に右陪席への期待)/質疑応答



条解民事執行規則(第四版)上〔第1条〜第98条の2〕
最高裁判所事務総局編(民事裁判資料第257号) ISBN 978-4-86684-042-0
書籍コード 500206 A5判 484頁 定価 2,900円(本体 2,636)
条解民事執行規則(第四版)下〔第99条〜第193条・附則〕
最高裁判所事務総局編(民事裁判資料第257号) ISBN 978-4-86684-043-7
書籍コード 500207 A5判 404頁 定価 2,850円(本体 2,591)
 第三版の刊行以降,民事執行規則は,電子記録債権法の施行(平成20年)や社債,株式等の振替に関する法律の施行(平成21年)等に合わせて数度の改正がされてきたが,令和元年に公布された民事執行法及び国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約の実施に関する法律の一部を改正する法律は,新たな民事執行制度を多数創設するものであったことから,これに伴う今般の民事執行規則改正もとりわけ大きな改正となり,執行裁判所及び執行官の実務に大きな影響を及ぼすものである。
 そこで,執務の参考に供するため,本書では,第三版に,これらの改正部分を中心とした加筆補正を行い,第四版として刊行するものである。
(はしがきより)

目 次 抜 粋(上)

第1章 総則(第1条―第15条の2)
第2章 強制執行
 第1節 総則(第16条―第22条の3)
 第2節 金銭の支払を目的とする債権についての強制執行
  第1款 不動産に対する強制執行
   第1目 強制競売(第23条―第62条)
   第2目 強制管理(第63条―第73条)
  第2款 船舶に関する強制執行(第74条―第83条)
  第3款 航空機に対する強制執行(第84条,第85条)
  第4款 自動車に対する強制執行(第86条―第97条)
  第5款 建設機械及び小型船舶に対する強制執行(第98条,第98条の2)

目 次 抜 粋(下)

第2章 強制執行
 第2節 金銭の支払を目的とする債権についての強制執行
  第6款 動産に対する強制執行(第99条―第132条)
  第7款 債権及びその他の財産権に対する強制執行
   第1目 債権執行等(第133条―第149条の2)
   第2目 少額訴訟債権執行(第149条の3―第150条)
  第8款 振替社債等に関する強制執行(第150条の2―第150条の8)
  第9款 電子記録債権に関する強制執行(第150条の9―第150条の16)
 第3節 金銭の支払を目的としない請求権についての強制執行(第151条―第169条)
第3章 担保権の実行としての競売等(第170条―第181条)
第4章 債権者の財産状況の調査
 第1節 財産開示手続(第182条―第186条)
 第2節 第三者からの情報取得手続(第187条―第193条)
附則


新様式による民事判決書の在り方について(平成6年3月)
―東京高等・地方裁判所民事判決書改善委員会―
ISBN 978-4-86684-045-1
書籍コード 500208 A5判 104頁 定価 1,000円(本体 909)
 東京高等・地方裁判所民事判決書改善委員会では,いわゆる「新様式判決書」について,平成4年7月以来,十数回にわたって会議を開催し,問題点を討議するとともに,裁判官から寄せられた意見や多数の新様式判決の実例について検討を重ねてきた。本報告は,これらの検討の結果に基づいて,当委員会の考えをまとめたものである。巻末に収録した参考判決例は,新様式判決書の実例の中から参考になると考えられるものを選択し,所要の注が付されている。
(はしがきより抜粋)

*本書は,平成6年に刊行した民事裁判資料第208号「民事訴訟の運営改善関係資料(2)」に集録されている資料のうち,「新様式による民事判決書の在り方について」(平成6年3月)を抜粋して刊行するものであり,内容は当時のものですので,留意してください。