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2016年7月発行

医療訴訟ケースブック
森冨義明・杉浦徳宏ほか著 ISBN 978-4-908108-55-6
書籍コード 302806 A5判上製 226頁 定価 3,200円(本体 2,963)
 本書は,「法曹時報」第67巻10号と11号に連載した「医療訴訟ケースブック」に東京地裁と大阪地裁の「審理運営方針」「事件統計」を加え合本化したものである。東京地裁と大阪地裁のいわゆる医療訴訟集中部に在籍する裁判官の有志が,「幾つかの架空のケースを設定し,これに,日々生起し得る審理運営上の問題や,これを克服するためのノウハウ,工夫を盛り込むことによって,各庁における医療訴訟の審理運営上のプラクティスの確立に多少なりとも寄与しよう」との思いを込めて執筆した。
 医療訴訟は,原告が,医師等による診療行為(不作為を含む)により患者に悪結果(症状の悪化や死亡等)が生じたと主張して,不法行為又は債務不履行に基づく損害賠償請求をするものであり,@そもそも原告の主張する当該行為により当該悪結果が生じたといえるか否かが争点となり,Aこれが肯定される場合に,当該行為に注意義務違反(過失)ないし義務違反(債務の不履行)があるといえるか否かが争点となる。いずれの争点についても,適正な判断をするためには医学的な専門的知見が必要であり,ここに医療訴訟の審理,判断の難しさがある。
 専門的知見を必要とする訴訟類型において,これを獲得する方法としては,伝統的には鑑定及び調停手続があり,ほかにも平成16年に施行された専門委員制度がある。大阪地裁では,専門委員を積極的に活用しており,様々な実践例が存在しているところ,医療訴訟を集中的に審理することで,医療訴訟特有の審理のノウハウを蓄積してきた成果とともに,本書の各ケースにいかされている。
 本書では,3つの具体的なケースが素材とされており,そのケースごとに,裁判長と陪席裁判官が逐次合議をしながら,また,裁判所と当事者が逐次議論をしながら審理を進めていく様子が詳細かつ具体的に記述されており,どのようにして主張,証拠を整理するか(特に,当該悪結果との関係で問題となり得る過失の主張をどのようにして絞るか),審理の各段階で医学的知見をどのようにして採り入れるか,診療経過一覧表や争点整理表をどのようにして作成するか,どのような場合にどのようにして専門委員や専門家調停委員あるいは鑑定を活用するか等々が具体的によく分かる。
 本書が医療訴訟を担当する裁判官の訴訟運営はもとより,医療訴訟に携わる弁護士の方々の訴訟活動の一助となれば幸いである。
(本書はしがきより抜粋)
目次抜粋
医療訴訟ケースブック
1 医療訴訟
2 医療訴訟の概況
3 医療訴訟の長期化,複雑困難化
4 本稿の特徴
5 結びにかえて
ケース1
ケース2
ケース3
医療訴訟の審理運営指針(改訂版)
第1 はじめに
第2 医療訴訟の審理について(総論)
第3 第1回口頭弁論前の当事者の活動
第4 争点整理手続
第5 集中証拠調べ
第6 鑑 定
第7 集中証拠調べ後の手続
第8 おわりに
別紙1 モデル訴状
別紙2 モデル答弁書
別紙3 医療訴訟の進行についてのお願い
別紙4 プロセスカード記載例
別紙5 調書別紙記載例
別紙6 診療経過一覧表の作成について
別紙7 診療経過一覧表記載例
別紙8 書証・証拠説明書の提出について
別紙9 主張整理書面記載例
例1,例2
東京地方裁判所医療事件統計
大阪地方裁判所医事部の審理運営方針 (平成28年1月現在)
第1 はじめに
第2 第1回口頭弁論期日までの当事者の活動
第3 争点整理手続
第4 書証の提出
第5 争点整理段階での専門的知見の活用
第6 人証調べ
第7 鑑 定
第8 和 解
第9 審理終盤における訴訟活動
大阪地方裁判所医事事件統計

裁判の心 調停のこころ
川口冨男著 ISBN 978-4-908108-54-9
書籍コード 302805 四六判上製 317頁 定価 3,000円(本体 2,778)
 本書は,故川口冨男先生(弁護士・法曹会特別会員・元高松高等裁判所長官)から生前,出版に向けて原稿をお預かりしていたエッセイ集です。川口先生の所属事務所・弁護士法人中央総合法律事務所の季刊誌「事務所ニュース」に掲載されたエッセイを中心に,他誌掲載のエッセイ,調停委員に向けた講演録の要約など五十数編を集め,センスに溢れた1冊となっています。(編集方針の都合上,執筆当時の時事に関する言及や,掲載時系列の前後のエッセイに関する箇所は,最低限の注釈(括弧書き)に留め原文の内容を維持しています。)
 裁判のありよう,法曹人のあり方から,文学や歴史に対する深い洞察,ひいては人としての生き方についてまで,川口先生ならではの深い教養と洗練された表現力で発信し問いかけています。ぜひ,ご一読ください。
目次抜粋
第一章 裁判官のありよう,裁判のありよう
 コラボレーションとしての民事裁判
 裁判官はどのようにして心証を形成するか
 討議と対話
 第三の目
 判例委員会で学んだこと
 何が基本か
 清く,正しく,美しく
 民事判決は敗訴者を名宛人として書くのがよい
 公平,気力,頓智
 和解に現れる教養と法曹
 司法の清廉とノーベル賞
第二章 小説の出来上がり方と判決の出来上がり方
 小説の出来上がり方と判決の出来上がり方
 裁判官は無責任である
 弁護士は事柄を絶対的にではなく,相対的に考えることを旨とする職種である
 編集者としての法曹
 “聴き合うこと”の大切さ
 法廷における発声について
第三章 『源氏物語』に「常識」を習う
 『源氏物語』に「常識」を習う
 文学は実学である
 歴史を読むか,文学を読むか
 長編小説を読む
 読売文学賞と私
 常識のたね
 大隅先生の思い出
 「あみださん」の「さんがくがんりき」
 教材としての文壇録
 要約するということ
第四章 まず遊ぶ
 まず遊ぶ
 裁判は音楽の状態に憧れる(その一)
 裁判は音楽の状態に憧れる(その二)
 バイオリニスト諏訪内晶子を育てたもの
 味覚三代
 本音と建前
 歌舞伎のしたたかさ
第五章 人を育てる,人が育つ
 人を育てる
 人が育つ
 人が分かるということ
 子を持って知る親の恩,孫持って知る孫の可愛さ
第六章 徒然なるままに
 タフでなければ生きていけない,やさしくなければ生きていく資格がない
 一位でなくてもよいが,セカンドグループではだめ
 四万十川
 神は細部に宿る
 谷崎潤一郎の「転勤」
 代役
 仁左衛門の「河内山」
 民法は共有を嫌悪する
第七章 調停のこころ
 呉越同舟
 平成二五年一月二一日 神戸調停協会講演
「調停委員には教養が必要である」と言われるのは何故なのか
 平成二六年一〇月二四日 中部調停協会連合会講演
調停委員の基礎的素養について
第八章 特別収録
 ゴルフ外国語論
 肖像画を観る
 あとがき
 川口冨男先生を偲んで 中務 嗣治郎
 川口冨男先生ご経歴
 初出一覧

家裁調査官研究紀要 第21号
裁判所職員総合研修所監修 ISBN 978-4-908108-56-3
書籍コード 28-07 B5判 138頁 定価 4,400円(本体 4,074)
研 究
離婚に関する事件の親及び子の表現の理解に関する研究
・・・森 田 容 子 ほか
再非行防止のための調査及び保護的措置(教育的措置)についての研究
・・・松 浦 泰 樹 ほか