「平成19年11月10日第1版第1刷」をお持ちの方は,
下記の「正誤表」を参照のうえ,ご利用ください。

※「第2刷」以降の発行に関しては修正済みです。

司法研究報告書 第59輯第1号
「民事訴訟における事実認定」

正誤表(278頁 注釈*48)

*48 原判決は,XとYは30年来の知り合いであったこと,Yは,Yが本件家屋の所有者となっても,Xに対し直ちにその明渡しを請求する意思はなく,かえって本件家屋をひとまずXに賃貸しておき,相当の範囲内であればXの買戻しに応じる意志であったこと,本件契約締結当時,本件家屋はXの税金の滞納により差押中であり,これに相当の加算税が付加されていたことなどの事実関係をもって,売買代金が一段と安く定められたことは当然であると判示した。
*48 Yが受領した5万円がその当時の本件土地の時価から見てどのように位置付けられるか,すなわちXが主張するとおり10坪の土地の売買代金とみられるようなものか,それともこれよりはるかに低額で,Yが主張するように一般に授受される賃貸借の敷金と1,2年分の賃料の合計額とみるのが相当と思われる金額かが決定的ともいうべき重要性をもつ要素であると考えられるのに,原審はこの点について何ら触れていなかった。